支払条件
Net 30 / Net 60 / 受取時支払いの違いと選び方
支払条件は、請求してから入金までお金がどれだけ拘束されるかを決めます。Net 30 は BtoB の標準、Net 60 は買い手寄り、受取時支払い(Due on Receipt)は最速で入金できます。クライアントの希望ではなく、自社のキャッシュフローに合わせて選びましょう。
要点まとめ
Net 30 = 請求書日付から 30 日以内に支払い、Net 60 = 60 日以内に支払い、Due on Receipt = 受取り次第すぐ支払い。BtoB の標準は Net 30、単発の少額案件では Due on Receipt が一般的です。
Due on Receipt(受取時支払い)
請求当日に入金される条件
請求書受領と同時に支払期限が来ます。少額・単発の案件、与信のない新規顧客、支払いが遅い相手に向きます。一方で「信用していない」と受け取られかねず、確立した BtoB 関係には不向きな場合があります。
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BtoB の標準条件
請求書日付から 30 日以内に支払う条件。多くの BtoB サービスで標準的に使われ、買い手の月次支払サイクルに収まります。売り手のキャッシュフローと買い手の事務負担のバランスが取れた条件です。
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大企業・公共との取引で多い条件
請求書日付から 60 日以内に支払う条件。大企業、政府機関、調達ルールで「Net 60」を採用している買い手とよく使われます。大型案件の獲得に有利な反面、入金が 1 ヶ月遅くなるためキャッシュ余力が必要です。
詳しい定義を見るNet 30・Net 60・Due on Receipt 一覧表
| 項目 | Due on Receipt(受取時支払い) | Net 30 | Net 60 |
|---|---|---|---|
| 支払期限 | 請求書受領後すぐ | 請求書日付から 30 日以内 | 請求書日付から 60 日以内 |
| 向いている案件 | 単発・新規・少額 | 標準的な BtoB サービス、SaaS | 大企業・政府機関の案件 |
| キャッシュフロー影響 | 最良(同週入金) | 予測可能な月次サイクル | 2 ヶ月の遅延 — 余力が必要 |
| 遅延の起こりやすさ | 小規模顧客で時々遅延 | 35〜45 日へずれることが多い | 75〜90 日へずれることが多い |
| 買い手の受け取り方 | 少し強引に感じられる | 違和感なく受け入れられる | 歓迎され、大型案件獲得に有利 |
| 遅延手数料 | あり:月 1〜2% | 猶予期間後に月 1〜2% | 通常 月 1〜1.5% |
| 請求書への書き方 | 「受取時支払い/Due on Receipt」 | 「Net 30 / 請求書日付から 30 日以内」 | 「Net 60 / 請求書日付から 60 日以内」 |
どちらを使うべきか
Due on Receipt を使うとき
現金をすぐ確保したい、かつ関係性が許す場合。
- 追いかける手間に合わない少額(~5 万円以下)
- 新規顧客の初回案件
- 店頭・単発サービス
- 前金を受領済みで残金を納品時に回収する場合
Net 30 を使うとき
通常の BtoB 関係で、無利息融資にならない範囲で柔軟に対応したい場合。
- 毎月の顧問契約や SaaS
- 既存顧客のプロジェクト案件
- 5 万〜500 万円程度の規模
- 他の入金で短期キャッシュフローを補える場合
Net 60 を使うとき
買い手のルールで必要、かつ待てる体力がある場合。
- 大企業・政府機関への販売
- キャッシュ遅延を許容できる大型契約
- 資金バッファや売掛金ファイナンスがある
- 買い手の調達サイクルが月次の大型案件(500 万円以上)
よくある質問
Net 30 はいつから数えるのですか?
原則として「請求書日付」からです。買い手によっては納品日や経理が請求書を受領した日(1〜2 週間遅れることがある)から数えるよう求める場合があります。「請求書日付から Net 30」のように起点を明記しておきましょう。
Net 30 は「今日から 30 日」と同じ意味ですか?
はい。請求書日付が 5 月 1 日なら、5 月 31 日が支払期限です。土日祝も含めて数えます(条件で別途定めない限り)。
早期支払割引(Early Payment Discount)は提供すべき?
資金回収を早める手段として有効です。代表例は「2/10 Net 30」(10 日以内に払えば 2% 引き、それ以降は 30 日以内に全額)。20 日早い入金に 2% を払うと年率換算で約 36% — 急いで現金が必要な場合に検討しましょう。
適切な遅延損害金の利率は?
多くの国で月 1〜2%(年 12〜24%)が一般的です。請求書と契約書の双方に明記しましょう。日本では遅延損害金の上限が法定されており、契約がない場合でも商事法定利率(年 6%)を請求できます。