請求の基礎
請求書(Invoice)と領収書(Receipt)の違い
請求書は「支払いを求める書類」、領収書は「支払いを受け取ったことを証明する書類」です。同じ取引でも、発行のタイミングと法的役割が異なる別々の書類です。
要点まとめ
請求書は支払い前に「払ってください」と求める書類、領収書は支払い後に「確かに受け取りました」と証明する書類です。請求書は売掛金、領収書は実際の入金を裏付けます。
請求書と領収書の違い 一覧表
| 項目 | 請求書(Invoice) | 領収書(Receipt) |
|---|---|---|
| 目的 | 支払いを求める | 支払いを確認する |
| 発行のタイミング | 支払い前 | 支払い後 |
| 発行者 | 売り手 | 売り手(または決済代行業者) |
| 会計上の扱い | 売掛金/買掛金として計上 | 現金収入/支払済経費として計上 |
| 主な必須項目 | 請求書番号、日付、支払期限、明細、税額、支払金額 | 領収書番号、日付、受領金額、支払方法 |
| 税務上の役割 | 売上消費税の根拠資料(適格請求書) | 買い手の経費・仕入税額控除の証憑 |
| 法的効果 | 債務を発生させる | 債務を消滅させる |
| 典型例 | 月末にクライアントに送付する INV-2026-0042 | Stripe がカード決済後に自動送信する領収書メール |
どちらを使うべきか
請求書を発行すべき場面
成果物や商品を提供し、合意した条件で支払いを受けたいすべての場面で発行します。
- Net 30/Net 60 の B2B 請求
- マイルストーン単位のプロジェクト報酬
- 毎月の顧問料・サブスクリプション
- 適格請求書として消費税を報告する必要がある取引
領収書を発行すべき場面
実際に入金があり、買い手が支払いの証明を必要とするすべての場面で発行します。
- 店舗での現金・カード決済
- フリーランス案件で受け取った前金
- Stripe/PayPal が決済後に自動送信
- 寄付、返金、その他現金が動いたとき
よくある質問
1 枚の書類が請求書と領収書を兼ねることはできますか?
はい。販売と同時に支払いが完了する場合(受取時支払い)、その書類は両方の役割を兼ねることができます。「支払済請求書」「販売領収書」と呼ばれることもあり、Stripe や Shopify などは自動的にこの形で発行します。
請求書は支払いの証拠になりますか?
いいえ。請求書は「支払いの義務がある」ことを示す書類で、実際に入金があった証拠は領収書(または『支払済』ステータスの銀行・Stripe 記録)です。
請求書を送ったあと、領収書も送る必要がありますか?
原則として送るべきです。領収書を送付するか、請求書に「支払済」スタンプを付けて再送することで、取引が完了したことを明確にし、「入金は届きましたか?」という追加問い合わせを減らせます。
税務にはどちらを保管すべき?
売り手は売上消費税の根拠として請求書を、買い手は経費・仕入税額控除の根拠として領収書を保管します。日本では帳簿および請求書等を 7 年間(電子取引は電子帳簿保存法に従って)保存する必要があります。